生活保護の申請の手続きの仕事をしておりました。
病院ソーシャルワーカーの者です。
生活保護の申請をして無事に生活保護に認定されるかは、
だいたい、その人の資産状況と身寄りのあるナシで私たちにも大体分かりました。
この人は生活保護の対象者になるかならないかは判別することが可能でした。
私の働いていた病院は刑務所の近くでした。
今は刑務所は高齢化が進んで刑を全う出来ない受刑者が沢山います。
そのような高齢で疾病がある受刑者を受け入れていたのですが
まず入院費を払えるだけのお金は持っていません。
身よりもない場合がほとんどですので私たちの仕事の役割は生活保護の申請から始まります。
申請は住所地の管轄福祉事務所になりますから、住所不定の場合とかは病院を住所にしていました。
そして福祉事務所のケースワーカーに連絡を入れて生活保護の受給申請の代行をしていました。
刑務所出の人はお金は持っていない場合が殆どです。資産もありません。
身よりも私たちレベルから調べるとほとんどいない場合が殆どでした。
そして申請してから福祉事務所は資産調査や身上調査をする訳ですが
私が申請した殆どの患者さんは生活保護の申請が降りていたと思います。
私たちからすると、刑期を全うできなくて、高齢で疾病があるからすぐ国からお金が降りる。
非常に複雑な思いでした。
他の方は少ない年金で、少ない貯金を切り崩して入院生活をされているのに、
資産と身上調査で生活保護を受給した人たちは
医療費はただ、食費も実質は無料、日用品費もかからない、
だとすれば少ない年金でなみだを流している人に比べれば
生活保護の受給者の方が恵まれていると感じました。
医療を提供するのにもいくら処置をしても手術をしても手出しのお金はかからないのです。
無料です。
生活保護を受けていない人は色々な補助はありますが
単純に言うと医療費の3割は自己負担ですから、
生活保護の方が幸せと一言で言えると思います。
食費にしても生活保護対象外の人は3食食費がいるのですがそれも生活保護受給者はありません。
入院のお部屋代も生活保護受給者は無料なのですから私たちから見ても羨ましい限りでした。
生活保護の周りからの目レッテルさえ我慢していればこんな良い制度は無いのではないかと思いました。
究極の話ですが亡くなってからは生活保護を受けていない方は
葬儀代や火葬料、埋葬料などがかかりますから
亡くなってからもお金の負担はついてまわるということになりますが、
生活保護の受給者は亡くなってから私達がすることは担当のケースワーカーに連絡するだけでした。
後は福祉事務所と葬儀社が何もかもしてくれますからこれ程良いことはありません。
本当に生活保護制度はある意味まとめると天国です。