2012年には生活保護の受給者が210万人を超えました。
いま、100人に1人が生活保護を受けている状況です。
その内、1割程度が障害者世帯と言われています。
障害者は基本的に、障害者となった後、一生を通じて障害者であり続けるため、
生計の手段が生活保護以外にない障害者も少なくありません。
こうした「生活保護を受けなければ生活できない人」がいる一方で、
生活保護の受給世帯が増え続けるのも事実。
その理由としては、お年寄りの増加と、ニートの増加が挙げられます。
生活保護受給世帯の約半数は、高齢者世帯です。
高齢化社会の日本では、今後もどんどん少子高齢化が進んでいくでしょう。
少々景気がよくなった程度では、すぐに受給世帯が減少するとは考えられません。
求人が増えても、高齢者はそう簡単には再就職できないためです。
またニートも問題になってきています。
現在ニートは64万人と言われていますが、この数も年々ふえてきています。
お年寄りや仕事に就かない現役世代がこの調子でどんどん増えていけば、
増え続ける生活保護のシステムを支えきれないとして、
生活保護を受給できたとしても、一生安泰とは言えない状況であることはたしかです。
とはいえ、生活保護の受給者数が増え続けているといっても、
旧生活保護法と比較すると、その数は3分の2に過ぎません。
現行の生活保護法は、1950年の制定以降、60年が経過しました。
その間には、高度経済成長やバブルの崩壊などを経て、今は長い不況の時代にいます。
また、現行の生活保護の利用者は確かに増えてますが、
昔に比べ、人口も増え続けていることも忘れてはなりません。
ですから、単純に人数に注目するのではなく、
どの程度の人に利用されているのかという利用率に着目することが大切です。
日本の生活保護の利用率は、国民全体の1.6%です。
これは、先進諸外国と比較しても、ダントツに低い数値なのです。
これでは、生活保護制度は、社会保障として機能していないとも言えます。
それに、生活保護利用者が増えているのは何も国民の責任ではないはずです。
それに税金というものは本来、所得の再分配として機能すべきものです。
決して官僚を豊かにするためだけに搾り取られていいはずがありません。
税金を社会保障給付などさまざまな仕組みで国民に還元し、
社会的な公平性を進めるのが目的のはずなのです。
「受給者が増え続けているということ = 生活保護の不正受給が増え続けている」
ということではないのです。