横浜寿町でみた生活保護受給者

横浜にある寿町は町の住人の半分以上が生活保護を受給していると言われており、

非常に多くの男性単身者が暮らしている町です。

 

寿町で暮らす生活保護受給者は大きく2つのタイプに分ける事が出来ます。

1つは自分の生活をコントロール出来ずに、

もらった保護費をすぐに使ってしまい生活の立て直しが出来ないタイプ。

 

このタイプの人は親分肌だったり、人にちやほやされるのが好きだったり、

格好つけたがりな人が多いように思います。

周りから良く見られたい、良く思われたいという虚栄心から

ついつい周りにお酒や食べ物をおごって歩いたり、無駄な買い物をしてしまいがちです。

 

ギャンブルやアルコール類への依存が強い人もこのタイプに当てはまるように思います。

残念ながら寿町にはこの手の誘惑が多く、酒も博打も女もなんでも簡単に手に入れることが出来ます。

誘惑に勝てずに保護費を浪費してしまうと次の支給日まで暮らすために炊き出しに並んだり、

闇金からお金を借りて過ごさなくてなならなくなってしまうのです。

それでも横浜では1週間ほぼ毎日どこかで炊き出しや弁当の配布があるので

食いつなぐことは不可能ではありませんが。

 

もう1つは生活にリズムを作って出費などをコントロールし立ち直ろうとするタイプです。

多くの場合このタイプの人は他者とのコミュニケーションを嫌がりません。

寿町のような街全体が福祉施設のような町ではいろいろな福祉関係者が活動しています。

そういった人たちとコミュニケーションをとることが自分の意識を改善させることが

生活を立て直すための第一歩となっているように思います。

 

58歳になる小玉さん(仮名)はミオパチーという筋肉の難病疾患に罹患し、

働く事が出来なくなったために生活保護を受給している人です。

病気の治療のために勤めていたタクシー会社を退職、

その後経済的な困窮から一家離散して、単身横浜の寿町にたどり着きました。

 

彼はどちらかと言うと後者のタイプです。

家計簿を付けて保護費を計画的に使い、節約生活をしています。

日常生活ではヘルパーさんに身の回りの世話をしてらっていますが、

空いている時間には積極的にボランティア参加しています。

 

体が不自由ということもあって出来ることに制限があるものの、

福祉作業所へ通ったり、地域のイベントなどには積極的に参加して

人との繋がりを持とうと努力しています。

 

彼は先日念願かなって保護費から貯めたお金で

ボランティアの学生たちと京都旅行に行くことが出来ました。

 

またある受給者は支援団体の力を得て、

それまで何十年も音信不通だった兄弟と連絡を取ることができ、

故郷に帰ることが出来ました。

彼は親に勘当されたから帰れないと思い込んでいました。

 

でも故郷の家族は何年も探していて、それでも連絡がないために死んだものだと思っていたそうです。

だからいきなり連絡があった時はそれはそれは大騒ぎになったという話を聞きました。

 

町の住民の半分以上が生活保護受給者である寿町を見ていると、

生活保護から抜け出すことの難しさというのを痛感します。

それでも生活保護から抜け出すことをお手伝いしようとしている人間がたくさんいます。

抜け出すためには、思い込みで孤独にならずに

福祉関係の人間や支援団体を最大限に利用することが大変重要です。



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