病気や障害で働けなくなったときに、最後の砦として存在するのが生活保護ですね。
いろいろな意見があると思いますが、私はこの制度のお陰で命拾いしました。
過去、私は仕事を辞めざるを得なくなって貯金も底を尽き、
かといってすぐには仕事もままならない状況に陥りました。
というよりも、お金がないから無理をして働き、無理を重ねて病気を悪化させる、の繰り返しでした。
当時はこの負のループにはまり込んで、身体を休めるという選択肢は見えていなかったと思います。
お金があれば、ゆっくり休養して病気を治すこともできたかも知れませんが、
病気のために一箇所で長く働けず、傷病手当金や退職金などももらえないような状況でしたし、
民間の医療保険も以前にお金がなくて解約してしまい、入院するのもままならず、といった感じでした。
国民健康保険は少額なので何とか払っていて、
国民年金は働いておらず払えない旨の申し立てをしていました。
収入が少ないと健康保険料は安くて済みますが、医療費が馬鹿にならず、
保険証はかろうじであるが病院に行きたくても行けない、入院なんてとんでもない
といった苦しい時期が長かったです。
どうにもこうにも現状では身動きが取れなくなって、
民間のアパートから県営や市営の安いアパートに引っ越そうと市役所の窓口に行ったのですが、
ここでも保証人がいないと借りることは不可能だと分かりました。
保証人になってもらえるような身内がいないから苦労しているのに、内心怒り心頭でしたが、
ちょっと自分の状況を話すと、窓口の人が社会福祉課で相談に乗ってくれるかも知れないからと、
生活保護のことを教えてくれました。
家賃補助があるんですね、生活保護には。
そして、社会福祉課に生活保護のことを聞きに行ったのですが、
30代後半だとのっけから相手にされなかったです。
あっさり門前払いされましたが、「頑張っても働けない」「病気を治すお金がない」と懲りずに訴えました。
3回ぐらい窓口に顔を出した頃でしょうか、詳しく内情を聞いてくれて、
「車や家財を売って生活費に充填して、お財布に2万円くらいしかなくなったらまた来て」と言われました。
そこそこお金になるものは売り払って、自動車を売ったお金で電動アシスト付きの自転車を買いました。
これがあれば結構遠乗りできるので、電車やバスに乗るより安上がりだと思ったのです。
そして、お財布に全財産2万円弱を詰めて再び社会福祉課の門を叩きに行くと、
今度は生活保護の申請書を受理してもらうことができました。
実際の保護費が下りるまでは1ヶ月以上かかったと思いますが、食うや食わずには慣れていましたから、
これで楽になるという安堵感の方がずっと大きかったのを覚えています。