私が十代の頃より、生活保護を受給している両親をもつ主婦です。
実家が自営業をしており、子どもだった私から見ても、
無計画でやる気のない経営態度だったため、
当然のように、私が19の頃には経営が成り立たなくなりました。
それでも、どんな家庭にも弱い面や欠点があるのは普通のことで、
貧乏暮らしでも両親が仲が良かったら、私も結婚しても、実家を助けていきたいと思えたかもしれません。
両親は自営業ですが協力し合うことはなく、母は父の経営態度に四十文句を言っていて、
父は仕事の遅刻、欠席は当たり前、酒に逃げる日々…
だったので、二人を、家計を助けていきたいという親孝行な動機は生まれませんでした。
母は、『なんのためにここまで育て、学校を出してあげたのか』と、
私たち兄弟を育てるのにかかった費用を、就職して実家の家計として入れるよう求めてきましたが、
私は逃げるようにして実家を出て結婚しました。
結婚してしばらくすると、私たち兄弟は実家に呼ばれ、書類に言われた通りに記入するように言われました。
それは、生活保護を受給するための申請書類で、
実家に援助できない旨をそれぞれ書くことが必要だということでした。
私は、頑張って働けば、月に一万円でも二万円でも、両親を援助することはできなくもないですが、
両親との関係性から、どうしてもそれを苦痛に思う自分がいました。
子どもが家計を助けることを当然の見返りと考えて育てていた両親より、
新しい自分たちの家庭のために、そのお金は使いたい…と。
そして実家は生活保護世帯となりましたが、
間もなくして父はまだ60代で脳梗塞による認知症、
母もまた足腰がたたなくなり自立生活ができなくなりました。
生活保護世帯だと、受けられるサービスもありますが、
住める家の家賃上限、来てもらえるヘルパーさんの時間など、制約もたくさんあります。
両親は貯金も全くないので、現在の家で両親二人だけの生活に、
ヘルパーさんが数時間きてくれるだけでは、買い物もできず部屋の掃除もできず、
生活が成り立たなくなりました。
私たち兄弟は、生活保護世帯でも入れる、高齢者向き住宅を探すことにしました。
普通の高齢者向け賃貸物件では、お年寄りだけでは家事の心配などで、断られるケースがほとんどです。
食事を作ってくれたり、介護付き高齢者向け住宅だと、認知症のある父や足腰の弱い母も、
ナースコールが部屋にあるので24時間誰かに来てもらえるので安心です。
生活保護を受けているのにこのような住宅に入れただけでもありがたいですが、
両親はサービスが悪い、と不平不満ばかりです。
生活保護を受給するなら、謙虚に、三食食べられて部屋があり、
生活できているだけ有り難い、という感謝の気持ちを持ってほしいです。