福祉事務所へ相談へ行くと、
「生活保護の前に、親兄弟に頼れないのか」、
といったことが質問されます。
そして、保護申請が受理されると、
扶養義務者にも扶養できないかどうかの調査が行なわれます。
生活保護を受けることの中で、一番抵抗があるのは、
この扶養義務の部分だとも言われています。
「田舎の両親に心配をかけたくない」、「独立した子ども達に心配をかけたくない」
といった意識が生活保護申請を躊躇わせているのです。
生活保護申請者の三親等内の親族までは扶養義務者となります。
扶養義務者には、福祉事務所から扶養するように書類が届くことがあります。
といっても、援助がどうしてもイヤだという場合は、仕送りをする必要はありません。
福祉事務所も強制することはできないのです。
そもそも、無縁社会とも言われる現代で、実の親、兄弟とは言えども、
別家計の人間を扶養することなど、誰にも強要することはできません。
例え親子であっても、良い関係というのは、
それぞれ独立しているからこそ築けるものです。
それを汲々とした生活状況であるにも関わらず、
無理に扶養義務のために援助したりすれば、
上下関係、従属関係を生み、
いずれ良好な関係もぎくしゃくしだします。
最近、某芸人の親が生活保護を受給していたことが問題になっていますが、
たとえ高額所得の息子だとしても、両者が別居していて、
扶養義務者が「扶養の意志はありません」と意思表示すれば、
別に息子がいくら稼いでいようが問題ないハズなのです。
そもそも芸能人は高額な収入を得ている反面、
それに見合った税金も支払っているはずですし、
もろもろの支出も大きいでしょう。
それに浮き沈みも激しい業界です。
もし今回のバッシングで、あの芸能人が失職してし、
極端な場合、生活保護を受けるような状況に陥った場合、
誰が責任を取れるのでしょうか。
民法上、強い扶養義務を負うのは、夫婦同氏と未成熟の子どもに対する親だけです。
しかし、扶養義務者である以上、ときどきは
福祉事務所から、「援助できないか」と連絡が入ることになるため、
そのあと煩わしい思いをすることにはなってしまいます。
しかし、それを放置していたからといって、罪になるわけではありません。
また、扶養したいと思っても経済的に苦しい場合も援助できない正当な理由となります。
福祉事務所には、その旨を伝えるようにしましょう。
逆に、援助する余裕もないのに遠慮や見栄から「毎月○万円、仕送りします。」
と伝えてしまうと、実際に仕送りがなくても、保護費はその分減らされての支給になります。
ですから、親・兄弟がいても、現に十分な仕送りがされておらず、
最低生活費以下の収入しかないのであれば、生活保護を受けることはできます。
実際、扶養義務者で援助している人は3%程度、50人に1人という割合です。
kai
「たとえ高額所得の息子だとしても、両者が別居していて、扶養義務者が「扶養の意志はありません」と意思表示すれば、別に息子がいくら稼いでいようが問題ないハズなのです。」
これは全国民に知らせるべきだと思いますね。
私自身、障害者で、家族に扶養義務者指定の申し立てをしましたが、「障害者認定以外に働けないと言う証拠はない。」として、却下されました。
家庭裁判所の調査と言っても、相手が協力しなければまともな資産の調査もできません。
たとえ高額所得者でも、扶養義務を無視しても、何らペナルティはありません。扶養したくなければ、振り込め詐欺に対しての対応と同じく、徹底無視で良いでしょう。