先日「生活保護」の方々を侮蔑するような内容を記載したジャンパーを着用して、
対象者の方々の自宅を訪問しており、問題になったケースがありましたよね。
あのニュースをテレビでみて、本当に複雑な気持ちになりました。
確かに、あの行動はけっして、認められるものではありませんし、
それによって、精神的な苦痛を味わった方々のことを考えれば、けっして許されることではありません。
けれども、医療現場で働いている私には、
「そう言いたい気持ちも理解できなくはない」という思いも確かにあるのです。
「生活保護」を受給されている方々のケースは実にさまざま。
必要な制度であり、ほんとうに困窮されている方々にとっては、まさに神様のような制度でもあると思います。
しかし、患者様の中には、本当に困っているにもかかわらず「生活保護をいただくなんて、世間様に申し訳ない」
「そんな、恥ずかしいことできない」などという思いから、
かたくなに、制度を利用することを拒絶される方もいらっしゃいます。
実直で、正義感のある方が多いですが、世の中は「持ちつ持たれつ」であり、
体調や生活状況が安定すれば、逆にお返しすればいいのですから、引け目を感じる必要はありません。
むしろ、積極的に活用していただきたいと思いますね。
一方で「どうして、この方たちに、生活保護が支給されているのか」と疑問に感じずにはいられない方々も、
いらっしゃるのが現状でもあります。
高級外車をのりまわし、ブランドバックを持ち、1回3万円のディナーショーに参加して、
生活保護を受給されている方もいらっしゃいます。
通常は、生活保護での支給が認められないケースであるにもかかわらず、
ごり押しして認めさせられたケースもありました。
「まじめに働くのがバカバカしくなるよね」とこぼしていた同僚もいましたが、
ほとんどの人が同じ感想を持たれると思います。
威圧的で、攻撃的なタイプの方が多く、役所でも対応に窮しているという意見を聞いたこともありますね。
病院によっては「生活保護の方はお断りする」という病院もあるそうですが、
背景にはこのような事情があるのかもしれません。
正当な理由で受給されている方々に、精神的な苦痛を与えないためにも、
ぜひ、このような需給に歯止めをかけていただきたいと思います。
対応は困難だとは思いますが、貴重な税金が使用されているわけですから、
国民が納得できる使い方をしてほしいですね。
そのためにも、この現状を、より多くの方々に知っていただきたいと思います。