もうしばらく前の話になりますが、私が高校生の時の話です。
父親の浮気と事業の失敗から両親が離婚することになりました。
母親にひきとられたのですが、離婚したところで、生活を立て直せるわけでもなく、
母も事業資金を借りる時の保証人になっていましたし、
子供を抱えて返済能力もないので、結局自己破産して、生活保護を申請することになりました。
子供を4人抱えて、職のない状態だったので、
生活保護を受けること自体は比較的難しくはなかったと思います。
問題は住む家を借りるにも、なかなか貸してくれるところがないとか、
高校に通い続ける学費が払えないとか、
そもそもの生活を続けることが難しい状態が3ヶ月くらい続きました。
やっとの思いで、借りることができた部屋も最初は布団もなく、ダンボールを引いて寝てました。
高校に通い続けるにも生活保護だけでは困難で、
母子家庭の就学支度金という奨学金みたいなものを借りて
やっと、なんとか通える状態でした。
それからは、母も職に就くことができ、なんとか底辺ながらも
生活らしい生活をできるように少しずつなっていったのですが、
問題は卒業後の進路でした。
進学高に通っていたこともあって、私自身、将来やりたいこともあって進学希望でしたが、
どうにもこうにもお金がないので、どうしたものか悩んでいました。
家の事情を周りに知られたくなかったということもありますが、
部活推薦で入った学校だったので、引退まではしっかり部活をして、
その後アルバイトをして進学費用を稼ごうと思っていました。
が、そこにも生活保護という問題がありました。
なんと、アルバイト代も生活費として考えられてしまうので、生活保護費からその分引かれてしまうのです。
子供の私からすれば、親の都合でなった貧困に付き合わされて、
自分の将来まで潰されるなんてなんてこったという話です。
もう、どうすればいいかと、途方に暮れていた時に、
近くに住んでいた祖父がなくなって、祖母が一人暮らしになるという話がでました。
そこに一人にしておくのは心配だからという理由で、私が祖母と住むことになりました。
それで、私一人、兄弟たちより一足早く生活保護から抜けることになりました。
亡くなった祖父には申し訳ないですが、
私にとってはありがたい話でアルバイト代を進学費用に充てることができ、
なんとか入学金を貯めることができ、それと奨学金を借りることで、進学することができました。
その後、兄弟たちも成人し独立して、
母も一人分の生活費を稼げれば、なんとか暮らしていけるので、
我が家は生活保護から抜けることができましたが、もし、母が病気だったり、
私たち子供に早いうちからなんとか一人で生きて行く意思がなければ、
生活保護を抜けるのは本当に無理だったと思います。