人生のうちで、どうしても働けない事情があって生活が苦しいときは、
我慢しないで公の制度に頼っても良いと思います。
友人は、半年間生活保護を受けていました。
でも、ずっと甘えていたわけではなくて、二ヶ月位体を休めて、
少しずつバイトが出来るようになったら、
きちんと働いた分を申請して保護から脱出しました。
生活保護だから働くと勿体ないというような、変な事を言う人がたまに居ますが、
働いたら即打ち切りになるわけではなくて、
生活保護の上限の金額以上に自立して生活できるようになるまで、
役所は面倒をみてくれます。
彼女の場合も、一緒に仕事を探してくれたり、
仕事のアドバイスをする係の人に助けて貰いました。
確かに、生活保護の相談に行ったときに、最初の数回は役所で門前払いだったそうです。
水際作戦のような感じで聞く耳持たずで、当時30代だったので、
「まだ若いから仕事はあるでしょう」というような感じにとられたのだと思います。
しかし、精神的な病気で、職に就いては止める事の繰り返しで消耗仕切っていました。
家族は一応おりますが、実家の両親や兄弟は病気に無理解で、
親兄弟や親類とはずっと絶縁状態でした。
何回も窓口で事情を話し、顔を覚えて貰った頃、
「手持ちのお金が二千円を切ったら、また相談して下さい」と言われたそうです。
彼女は、単身世帯で住所の区分では二等市街地、
当時月に八万円ほどの保護費でしたが、病院代と家賃補助のおかげで、
今までろくに食べられなかった食事が、三食きちんと食べられるようになりました。
そして、やつれきっていた姿もかなり健康に戻ったように見えました。
保護を受けるに当たって、世帯分離して暮らしている親や兄弟のところに連絡があっても、
それぞれの家庭でも事情があって「援助不可能」の返事があれば、保護は通ります。
必ずしも、天涯孤独じゃないと受けられない訳ではありません。
車は当然のように手放さざるを得ませんでしたが、
その代わり売ったお金で電動アシスト付き自転車を買い、
事前に言われたとおりに所持金が千五百円程度になったところで役所に向かい、
無事に保護申請を受理されました。
自宅にケースワーカーさんが訪問に来た時、
売却するように言われるのではないかと心配していたパソコンやネット回線、
テレビやエアコンなど、必要な家財道具は一切処分しなくても良かったようです。
「売ってもいくらにもならないし、また働くときに必要でしょう」と言われたそうです。
趣味の漫画やCD、ペット(モルモット)なども、特に言及されなかったようです。
保護を受けると、家財道具から何から一切合切無くなりそうな不安があるでしょうが、
生活苦で飢えるほどの状態になる前に、プライドを捨てて、助けを求めても良いでしょう。
安直な考えで生活保護を悪用する人も居ますが、
正直者が馬鹿を見なくて良いように、ある程度の知恵も必要でしょう。
それなりに満足に暮らせます。
他にも役所には、生活資金の貸し付けの相談等にも乗ってくれるところもあります。